マロングラッセは愛する人に永遠の愛を誓うお菓子!
マロングラッセは、剥いた栗をシロップ漬けにしたお菓子のことで、表面を乾燥させて仕上げたもの。風味を加えるためにラム酒やブランデーを入れる場合もあります。とても高級なお菓子ですね。マロングラッセとはフランス語でマロンは栗、グラッセは冷たくする、光沢をつけるといった意味です。
このマロングラッセの歴史は古く、さとうきびをヨーロッパに伝えたマケドニアの英雄アレキサンダー大王が、最愛の妻ロクサネー妃に贈るためにインドの砂糖を使って作らせたとされていて、イタリアでは愛する人に永遠の愛を誓うギフトとして大事にされています。まさにスィーツの王様とも呼ばれる所以ですね。
フランス北部のマロワルでは、クリスマスランチのデザートとしてシャンパンといっしょに召し上がるそうで、手間のかかるお菓子にふさわしい食べ方かもしれません。
このマロングラッセに使われるマロン(栗)ですがなんといってもイタリア産が有名です。中でもピエモンテ地方のマロン(栗)がよく使われていて、3個実がつく日本の栗と違って、実が2個しかつかないものです。イタリアで大昔から重宝されてきた栄養価の高いマロン。じっくり風味を味わいたいですね。
マロングラッセの作り方
マロングラッセの作り方ですが、とても手間のかかるお菓子です。マロングラッセを自宅で作る場合も、マロンはイタリア・ピエモンテ地方のマロンといきたいところですが、実際は国産の栗でしょうか。その場合、渋皮が剥ぎやすいしっかりした栗を使用します。
栗の外側の固い皮を剥いて、渋皮は剥ぎやすくするために栗をサッと煮てから渋皮を剥きます。傷をつけると割れやすくなるので慎重に。マロングラッセは栗選びがすべてかもしれません。小さかったり、柔らかいものはきれいに渋皮が剥けないのでマロングラッセにはなりません。いわゆる渋皮煮ですね。
栗をシロップに漬け込んで作るわけですが、煮込む時間や手順などはパティシエによってもまちまちです。いろいろ調べてみたのですが、早くからマロングラッセの作り方を紹介しておられる京都の御菓子処・宇治駿河屋さんのサイトをご紹介します。ガーゼを使うなど細かい心くばりと味付けのこだわりはさすがです。栗によっては仕上がりが柔らかくなったり、固くなる場合があるのでよく状態をみながら丁寧に作りましょう。
マロンとシャテーニュ
マロングラッセに使われるイタリアのピエモンテ地方のマロン。その中でもさらに割れていないものを厳選して使われる最高級のマロングラッセもあるようです。いちど食べてみたいですね。
このピエモンテ地方はイタリア半島の北西部にあり、近年トリノオリンピックでも注目を浴びました。またピエモンテは有名なワインの産地でもあるので作物にとても良い環境なのでしょう。
マロンはイガの中に1個入ったものですが、日本の栗のようにイガの中に2.3個入っている種類の栗をシャテーニュと呼んで、ペーストやパウダーに加工されて使われます。(ソースと合せたり、シャテーニュの粉のパンケーキなど)低コレステロールで栄養が高いので昔から重宝されています。
一方、マロンというのは本来はマロニエの木になる実をさしていましたが、シャテニェの木にできる実のうち、イガに1個できる種類のものをマロンと呼ぶようになりました。前者がマロングラッセのマロンというわけです。ややこしいですね。ちなみにマロニエの木の実はあくが強く、ヨーロッパでは食用にされてないとのことです。